「田酒」「喜久泉」叶シ田酒造店訪問記
西田酒造店入り口 2006年3月8日青森県の「田酒」醸造元、西田酒造店さんに研修(?)に行ってきました。
酒屋さん仲間から西田さんには夜行」バスで行った、と聞いていたので、無謀にも前日の夜行バスにて東京より 青森まで行きました。

私たちの後ろの席は4人組みの若いギャル(?)だったため、少々不安になりながら車内に入った途端寝る体制に。
不安は的中し、消灯まで彼女達はおしゃべりをしていたため、あまり眠れませんでした・・・。しかも、体中は痛いし・・・。

そんなこんなで、青森駅には9時前に到着し、タクシーに乗り西田酒造店さんがある油川まで行きました。


種付け 今回はいつものただ蔵を見学するのとは違い、少しだけ蔵仕事をお手伝いすることになっています。
と言いましても蔵の方達にとっても足手まとい何者でもないのですが・・・。まあ、私にとってはまたと ない機会なので、今回は目をつぶっていただきました・・・。

この日はちょうど、山廃純米大吟醸の種付けの日だったので、到着するやいなや着替え、麹室へ。
麹担当はまさるさんというベテランの方です。その下に女性が二人作業をしていました。。どちらも可愛い素敵な方でした。
彼女達は地元の方で通いのため、朝方や深夜の作業は泊まりの男性の方が作業をします。
この写真は種(麹菌)を蒸米に振っているところです。真剣な表情です。


酒母室 作業の合間に、蔵を一通り案内していただきました。
全体的に言えることは、どの作業場も清潔できちんと整頓されていることです。なにか作業が終わればすぐに 掃除。
広々して見えた蔵の中は、蔵人さんの無言のうちのチームワークで整然としかもすっきりと運営されていました。

この写真は酒母室です。この日は山廃の純米の酒母が入っていました。


洗米 これは純米大吟醸の洗米作業です。
大きなザルに米を入れて、水をいれたバケツの中でまわしながら洗います。ストップウォッチを見ながら、製造責任者の 細川さんが水からあげる時間を指示します。そして、限定吸水。秒単位の仕事です。

今年から西田さんでは杜氏さんはいません。細川さんという35歳の男性が製造の責任者となり、酒造りをしています。
田酒という、人気のお酒を造るプレッシャーははかり知れないものがあります。小さな他の蔵では、大吟醸だけ、或いはこの純米吟醸 だけを精魂込めて造る、というところもあります。精魂込めて造った酒はやはり美味しいです。
でも、西田さんでは特別に変わった酒を造っているわけではありません。すべての酒を均等に美味しく造らなければいけない、という 目にみえないプレッシャーが大きいのでしょう。タンク一本だけ一生懸命造ったら、やっぱりいい酒ができますよねえ?という質問に そりゃあ、というお答え。
製造責任者としては、そういったこともしてみたいでしょうが、たった一本だけを特別に造る蔵ではなく、すべてを「ああ、田酒、喜久泉って やっぱりどれも美味しいよねえ。」と言われる酒を造らなければいけない、相当の覚悟とプレッシャーを少ない言葉の中で感じました。



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